2013年12月31日火曜日

2013年大晦日

例年より早く年賀状の投函や掃除を済ませて大晦日を迎えることができました。

仕事は、27に納品を終え、さらに新たな案件を2本抱えての年越しとなりました。
 
今年は、家族に関する問題が次々と起こり、心安まらない日が多い年でした。

両親も高齢になり、私には重過ぎる課題であっても、私が主導的に対処しなければならない状況にいることを実感し、ひとり溜息をつくことしばしば。。。
 
でも、逆に、これまではほぼ自分のことだけを考えて過ごすことができていたことがなんと有難いことだったかと思います。
 
そして、あらためて、自分の好きな仕事が生活の「基軸」にあることの大切さを感じました。
日々の悩みに心が折れそうになったり、感情が揺さぶられても、ひたすら文章と向き合う時間の貴重さ。
基軸の仕事が安定していたことで救われました。
 
翻訳の仕事を始めて10年、これからも大切に育んでいきたいと思います。


2013年12月17日火曜日

「使いきる。」

立ち寄った書店で手に取った本。有元葉子さんの「使いきる。」

断捨離や整理収納術に関する本やテレビ番組はよく見るのですが、なかなか実践できていないのが現実。

この本は、有元葉子さんの長年の試行錯誤の結果としての方法や日常使っているアイテムが素敵な写真とともに紹介されています。

有元さんの整理術はとてもシンプルで説得力があります。
自分よりはるかに多くの経験を積んだ目の肥えた人生の先輩からバシッと「答え」を教えてもらっているような気分になります。

汚れや、物や、そして心の中にも「よけいなものはためない」、入れたものがスムーズに流れ、循環していることが快適である、と。
ふきんは木綿の「和太布」と「びわこ」、さらし・・、リネンのミトン、食器、水切りかご、籠類、アイロン台、そして長野の道の駅で100円で買ったというほうきに至るまで、気に入ったものは何十年も使っている。
マニキュアは一本だけ、Tシャツやセーターは定番のシルエットの色違いをクローゼットに収まる分だけ持つ。
住まいの洗剤は「SWIPE」だけ、用途に合わせての濃度を変えて使う。
一度に鰹節一袋分のだしをとって冷凍・・・

なるほどと~。
そして、自分自身の持ち物を見直すと、バラバラ~。
衝動買いしてほとんど着ていない服や、使っていないマニキュアや口紅が複数本。

大切なことは、自分にとって本当に必要な物を選び抜くこと。
選ぶ基準は値段やブランドではなく、あくまでも”自分”。自分にとって日常的に使い勝手がいいもの、自分の好みに合った飽きのこないもの。

そう言えば、56年前に買った大原照子さんの「55m2の暮らし替え~スローライフの舞台作り~」という本もたしか同じような類の本だったことを思い出しました。

活動的で忙しさを楽しむような生活を送ってきた大原さんが75歳を過ぎて体力の衰えを感じたのをきっかけに、がらりと生活を変えようと思い、100歳になってもおしゃれで、元気で、愉快に暮らせるようにとリフォームした自宅が紹介されています。

こちらも家具や食器などの一点一点に無駄がない、大原さんにとっての究極の住まい。

お二人とも自分が何を選ぶべきか、それをどう使うべきかがはっきりしている。
そして、潔い。必要でないものは買わない、手放すということ。

簡単にできることではありませんが、せめて今から意識することから始めてみようと思いました。
年を重ねるにつれて、シンプルに、身軽に、生きていきたいから。
 

2013年12月11日水曜日

「舟を編む」

先日、映画「舟を編む」の特別上映会が神戸文化中ホールであったので観に行ってきた。

原作は三浦しをんの小説。

辞書編集部を舞台に、見出し語24万語の辞書「大渡海」を完成させるための15年にわたる編集作業と、それに関わる人々を描いている。

1995年、電子化の波が押し寄せる気配を感じながら、採取した用例を一つずつカードに手書きしていくという作業から始まる。その後、見出し語選定、語釈、校正と続く。

辞書に使用する紙選びの場面も興味深かった。なるほど、ページをめくるときの感覚、1枚1枚張り付かない紙、微妙な手触りの違いを見極めて選択するんだなぁ、と。

こうした気の遠くなるような地道な作業にのめり込む主人公馬締(まじめ)と、彼を取り巻く人々、支える人々のさりげない愛情表現、温かさがさわやかで心地よかった。

@神戸文化ホール前
 
 
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